悪意の原泉にならないこと
いらっしゃいませ。
他者から悪意を向けられたと傷つく人は多いのですが、ご自身が悪意をもって他者を攻撃していることに無自覚な場合も有ります。
今回はその不毛さについて書きました。
悪意には自覚の有るものと、無自覚なものとが有ります。
今回は無自覚なものに焦点をあてたいと思います。
無自覚な悪意とは矛盾した表現ですが、当の本人はその時どんな感情を抱いているのでしょうか。
以下は代表例です。
・不公平感
・不足感
・不安
・劣等感
これを書き換えるとこんな人になります。
公平に扱われていないと感じていて、現状に満足していない、自分に自信が無く安心出来ていない人
このような人が内観することをしないと、自分の現状は全て環境や周りが悪いせいだと感じ、他者に対してこんな感情を抱きます。
「同じ痛みを味わわせたい」
無関係な他者を傷つけることで自分と同じところまで引きずりおろし、自分だけが不幸ではないのだと安心したいのです。
「それは完全に悪意なのでは・・・？」と感じることが出来る方も多いと思いますが、当の本人は本当に悪意なんか向けていない、なんなら自分は他人にとても優しい人間であると思っていることは少なく有りません。
なので「無自覚な悪意」なのです。
他人を引きずりおろしてもあなたは何も変わらない
芸能界のオーディションを受けてきた若い女の子がこう言っていたことが有ります。
「なんで私より下手な人が合格しているの？」
「あんな子、絶対に続かない」
「舐めてる」
「そんな甘い業界じゃない」
ちなみにこの子はオーディションに不合格でした。
こういった発言は何度も耳にしたことが有ります。
しかし、他人をいくら貶そうと、見下そうと、引きずりおろそうとしても、 自分は何も変わらないのです。
これは不毛なだけのただの悪口に過ぎません。
他人を引きずりおろすことに人生の貴重な時間を消耗している人はどこにでも居ます。
インターネット上の誹謗中傷もそうです。
何を言おうがその人の現実は1ミリも動きません。
むしろそれが日常になると、同じような人が集まる場所を求めるようになり、結果的に悪意の中にどっぷりと浸かることとなります。
そして、自分の行動が非常に人を傷つけるものであるという自覚すら失っていきます。
何故ならその人にとってはそれが日常だからです。
そして優しい人たちはそっと離れていきます。
その結果「のけ者にされている」「不当な扱いを受けている」「皆が意地悪をする」という不安と不公平感が生まれ、更に他者への攻撃をしてしまうという、悪意の原泉状態となってしまうのです。
こうなると幸せとは程遠い日々となります。
目に見える世界は常に不親切であるように感じるからです。
悪意の原泉にならないために
人ですから、生きていれば嫉妬や不公平感を感じるのは仕方の無いことです。
「私だけがどうして」と思い、幸せそうな人を見ると同じ感情を味わって欲しくなる。
そんな日が有るのは仕方が有りません。
そういった感情が生まれること自体を責める必要は有りません。
問題は、その時にどう行動するのか、です。
悪意の原泉にならないと決めたら、こうしてみて下さい。
「相手が傷つく可能性の有ることは言わない」
え？それだけ？当たり前のことだよね？いつもそうしているよ？と思った方もいらっしゃると思いますが、はい。本当にこれだけです。
ただしこれは「あなたが嫌いな人に対しても」です。
戦わなければならない時、意見を言うのはOKです。
議論も勿論OKです。
指摘、指導、注意も勿論OKです。
何かされて真っ向から言い返すのもOKです。
ではどういうこと？と感じる方もいらっしゃるかもしれませんので、一例をあげます。
あなたには、片想い中の大好きな人が居るとします。
その人を明らかに好いている同性の知り合いが居たとします。
ここでどう行動するのかです。
その知り合いの前で「○○さん（好きな人）と、この間遊びに行ったんだよねぇ～」と、あからさまにアピールをして牽制する
もしくはその人の方が好きな人と仲が良く、自分の完全な片想いだと思っている時
第三者の名前を出し「○○さん（好きな人） って、××さんと仲良いよね。両想いなんじゃない？まんざらでもないって感じ 」と、わざと言ってみる
どちらも意地悪な行為ですが、こんな人はいくらでも居ます。
こうやって人の心をわざと傷つけるようなことをするメリットは何一つ有りません。
「何か言ってやりたい」と思っても、やめておく。
喜ばせることしか言わない位で丁度良いやと笑っておく。
それで良いのです。
あなたが悪意の原泉になる限り、あなたの世界は優しくはなりません。
自分の世界を優しいものにするには、自分が優しくなることです。