現実はあなたの想像でしかない

いらっしゃいませ。
今回は、特に人間関係や恋愛で苦しくなることが多い方に向けた内容となります。
・好きな人からのLINEの返信が素っ気ない気がする。
・仲の良い友人の態度が怒っているように見えた
など、一度そうと感じるとそう見えてしまうものです。
しかしながら、それは真実なのでしょうか?
あなたに知っていただきたいのは、「真実は本人にしか解る筈が無く、あなたの現実はあなたの感じ方でしかない」ということです。
悟る能力の使い分け
日本では悟る姿勢が非常に必要とされます。
例えばお誘いをした時、「その日は忙しくて・・・」と言われた場合、「いつならOK?」と聞き返したりせずに「じゃあまたにしようか」と言ってあげるのが配慮だというのです。
ハッキリと断り文句を相手に言わせず、察してあげることが優しさとされています。
私も長年そうしてきました。
相手がハッキリ言えないタイプであると解っている場合、今もそうすることが有ります。
しかし、近年疑問に感じるようになりました。
「これが自立した大人同士のやり取りなのだろうか?」
どちらか一方が強い立場に有る場合は、相手は断りにくいですから強い方が察するのは良いと思うのです。
ビジネスの場でも別に構わないと思います。
しかし、完全に対等なプライベートの関係では、このような姿勢は不要なのではないかと感じます。
自立した対等な大人同士なのですから、断りたい側がきちんと断れば良いだけです。
誘う側は断られるリスクを負ってアプローチしているので、断られたらきちんと受け入れる。
それだけです。
不親切なのでは?と感じるかもしれませんが、相手に対して悟り癖を発動している人は自分も「ハッキリ言わなくても悟って欲しい」と感じている場合が多いです。
これでは深い人間関係が上手くいかなくても無理は有りません。
「察してよ」を手放すには、まず自分から「察する」を手放すくらいで丁度良いです。
勿論、「察する」「悟る」という姿勢や能力の高さは、今まであなたを助けてくれてきたことと思います。
人間関係で大やけどしたり、悪者になることも無く、配慮が出来て空気の読める人として安心感を与えることも出来たのではないでしょうか。
しかしながら、こと「恋愛」と「完全プライベートでの対等な関係」においては、そのスイッチはオフにするくらいで丁度良いです。
欲しいパートナーシップをやすやすと叶えている人や、人間関係でさほど苦労していない人は、ある種この「鈍感力」が優れています。
彼らは空気が読めない訳では無いので、仕事関係では察して身を引くということを日常的に行っています。
しかし、プライベートではあまりそれをしません。
この能力をプライベートでも使用していると、どうなるでしょうか。
不都合な現実を想像する
例えば、一か月以上連絡を取っていなかった好きな人に意を決してこのようなLINEを送ったとします。
「お久しぶりです☆最近忙しいですか?」
すると10分後にこのような返信がきました。
「お久しぶりです☆ 最近忙しいですね・・・」
ここで、悟り癖の強いAさんはこう感じます。
「久しぶりに連絡を取ったのに、私の近況は気にしてくれない。私がどうでも良い人に返すLINEの内容そっくり。私の事、本当にどうでも良いんだな・・・。」
逆に悟りスイッチをオフにしているBさんはこう感じます。
「いつもならもっと返信遅いのにはやーい!私と同じ絵文字(ここでは☆マーク)を使って合わせてくれてる!何より、雑談のLINEにちゃんと返信をくれた」
これは、どちらが正しい訳でも間違っている訳でも有りません。
相手の本心など解りません。
ここで起きた事実はたった一つ。
「好きな人から10分後に返信が来た」
これだけです。
AさんもBさんも、自分で勝手な解釈をして、ネガティブになったりポジティブになったりしています。
繰り返しますが、相手の本心は解りません。
そうです。解らないのです。
ではどちらが幸せなのでしょうか。
AさんとBさんのこの後を見てみましょう。
Aさん「久しぶりに連絡を取ったのに、私の近況は気にしてくれない。私がどうでも良い人に返すLINEの内容そっくり。私の事、本当にどうでも良いんだな・・・。迷惑だったかな。連絡してきて欲しくないと思ったかな。質問で返してこないってことは、話を広げたくないってことだよね。好きにならないでってことなのかな。」
Aさんは答えの出ない問いを自分自身にし続けます。
その結果、不安や悲しみの感情が、過去の「ネガティブな感情を抱いた出来事」を芋づる式に掘り起してきます。
こうなるとドツボにハマり、Aさんは好きな人に連絡をすることがどんどん怖くなっていきます。
「また悲しい想いをするのではないか」
そうやって一人で不安になるのです。
答えの出ない問いを自分にし続けるので、不安でいっぱいの毎日が続きます。
答えが出ないのですから、ずっと苦しいのです。
ではBさんを見てみましょう。
Bさん「いつもならもっと返信遅いのにはやーい!私と同じ絵文字(ここでは☆マーク)を使って合わせてくれてる!何より、雑談のLINEにちゃんと返信をくれた~!やったー!忙しいのに本当に優しいなぁ。寝る前に連絡取れて良かった☆返信くれるってことは別に嫌われてないもんね。相手には相手の生活が有るんだし。また連絡したくなったらしよっと。忙しいのに返信くれてありがとう」
Bさんは全てポジティブに考え、返信をくれたという事実に感謝し、すぐに寝てしまいました。
どちらが幸せそうでしょうか。
繰り返しますが、相手の本心など、相手にしか解らないのです。
真実は相手にしか解らないのです。
それならば、自分が幸せになる解釈をする方が自分の為です。
現実は全て自分の想像でしかないのです。
皆、起きた出来事に自分なりの勝手な意味づけをしています。
人の数ほど現実の見方が存在し、それぞれの頭の中に独自の現実が存在します。
全員が同じ出来事を見ているのに、人により良い出来事にもなるし悪い出来事にもなります。
現実はその人の想像にすぎないからです。
不都合な現実を探す恐怖
逆に、自分にとって不都合な現実を想像している時、頭の中では何が起きているのでしょうか。
私たちの脳内には、意識を向けているものに関連する情報を探そうとする能力が有ります(RASと呼ばれています)
「白いワンピースが欲しいな。この夏は買いたいな」と思うと、脳は白いワンピースに関連する情報を勝手に探します。
街中で白いワンピースを着た人がやたらと目につくようになる、お店でも白いワンピースにすぐに目が行く。
そしてやがて、店の奥にチラリと見えた運命の白いワンピースを見つけ、あなたの足をその場に運びます。
このように、脳はあなたの願望が叶うよう、全力で手助けをしてくれるのです。
しかし、この超優秀な機能はポジティブなこと以外にも同様の効果を発揮します。
あなたが「好きな人に好かれていない」と感じていると、あなたの脳は「あなたが相手から好かれていない証拠探し」を始めます。
そして現実をネガティブに解釈する癖とタッグを組んで、あなたにとって最悪の現実が有るかのように見せてくれるのです。
何度も言いますが、あなたの現実はあなたの想像に過ぎません。

不都合な現実を手放す方法
自分を苦しめるだけの想像の癖を変えるにはどうすれば良いのでしょうか。
一つおススメしたい遊びが有ります。
とても簡単に、楽に出来ます。
それは「愛されていると信じている人になりきる遊び」です。
上記のBさんのような解釈をわざとしてみるのです。
例えば好きな人からのLINEの返信に落ち込んだらこう考えてみます。
「これ、愛されていると信じている人 ならどう考えるかな?」
要はリフレーミングです。
こうすると脳は、あなたが愛されている証拠探しを勝手に始めてくれます。
どうせ真実なんて解らないのです。
それならば、自分が安心出来て幸せになれる現実を想像した方が良いのです。
人間関係でも恋愛でも、重要なのは相手の本心では有りません。
自分が安心出来ているのか、幸せなのか、安定しているのか、です。
ここが出来ていないと、毎日「好きだよ」と言われても、すぐに不安になります。
相手は本心から愛を伝えているのに、あなたは一時幸せを感じても、すぐに不安になるのです。
重要なのは「出来事をどう捉えるのか」でしかなく、相手の本心ではないのです。
自分にとって幸せになれる現実を想像出来るようになると、やたらと不安になったりネガティブになったり、遠慮し過ぎてみすみすチャンスを逃したりといったことが無くなります。
そして、相手に安心させてもらおうと思わなくなります。
重たく依存することも、試すようなことを言うなんてことも無くなります。
現実は想像でしか有りません。
あなたが幸せなら、それで良いのです。