占いジプシーをやめられない

いらっしゃいませ。
「自分は占いジプシーとは関係無い」と思っている方も、根っこに同じものが有る場合、いつそうなるか解りません。
本日は、「占いに一ヶ月何万円も使ってしまう」「不安になるといてもたっても居られず、毎日のように違う占い師に連絡してしまう」という、占いジプシーをやめられない方に向けた内容となります。
ありあまるお金と時間が有って、暇つぶしで楽しくジプシーをしているのであればともかく、そのような人は恐らくほぼいらっしゃらないかと思います。
今回は、あまり好ましい状態ではないとご本人も感じているにも関わらず、占いジプシーになっている方についてのお話です。
※読むよりも聴きたいという方はこちら↓
いらっしゃいませ。
「自分は占いジプシーとは関係無い」と思っている方も、根っこに同じものが有る場合、いつそうなるか解りません。
心の中では何が起きているのか
・「今すぐにこの不安を解消したい」と、いてもたってもいられなくなり占い師に連絡をする
・「もっと当たる凄く特別な力を持った占い師が居るのではないか」という期待感から、新しい占い師を発見すると鑑定を申し込む
・「自分の望む答えをくれる占い師がもっと他に居るのではないか」「良い結果(もしくは辛い結果)だったけど、本当?他の占い師にも聞いてみて答え合わせしたい」 と感じて、鑑定結果が出た直後にも関わらず、他の占い師に連絡をする
つまり占いジプシーに陥っている時の心の中は不安でいっぱいで、幸せや安心感とは程遠い状態です。
だからご本人も辛いのです。
占いに頼るなんて逃げだとか、お金がもったい無いだとか、騙されているだとか言う人も居ると思いますが、頭でどう考えようと何を言われようと、「今、この不安をどうにかしたい」という強い衝動を前にするとそんな言葉は何の役にも立ちません。
ではどうすれば良いのでしょうか。
永遠に占いジプシーで居るのでしょうか。
いいえ、そんな事は有りません。
何を隠そう(?)私は昔、占いジプシーだった時期が有ります。
依頼した人数で言うと、一年程の間に恐らく50名を超えているかと思います。
ですが今、私は他の占い師に鑑定依頼をするという事は基本的にはほとんど有りません。
数名だけ特別視している方が居るので、数か月に一度程度コンタクトを取る事は有りますが、いつもワクワクしながらで、結果に一喜一憂する事は有りません。
不安いっぱいで過ごしていた占いジプシー時代が有りましたので、私の元にご相談に来られる方の痛切な想いは感じ取っています。
そして特に不安の強い方に関しては、いつか私の元へ来なくなる日が来たとしても、毎日穏やかに過ごせるようになっていただけたら良いなと思いながら鑑定させていただいております。
ですから今回の記事は、占いジプシーに陥っている方の人格を否定する意図は全く無いという事だけご理解いただけますと幸いです。
心の内を話すのが難しい社会
まず前提として、私は占いに来られる方を間違っていると感じた事は有りません。
何故ならば、社会構造的に多くの人が、誰かに自分の深い話をし、心の柔らかい部分をさらけ出す事は難しいという現状が有る為です。
占いでは話を聞いて欲しいというガス抜きを求める方も見えますし、もう答えは決まっていて背中を押して欲しいだけの方も見えます。
他にも、話すと元気をくれるお気に入りの占い師と話す事で、少し下降してしまった自分のテンションを上げたいという方や、寝る前に明るい気分になりたいという方もいらっしゃいます。
要は、多くの人が「寂しさ」「欠乏感」「愛情の不足感」「肯定されたいという気持ち」を満たす手段を持てない現状が有ります。
そこを一部の占い師が担っています。
※一部と書いたのは、逆に不安感を煽る占い師や、特にこれといって何も考えずに占っている占い師も居る為です。
ですから、感情を表に吐き出す手段として、また、相談の場として、占い以外に頼れる場が無いという方も少なくないと思います。
ですから占いに来る方が特別弱い訳でも、人生の選択を自分で出来ない訳でも有りません。
それだけ心の扱いが難しい時代であり、社会がそれについていけていないというだけなのです。
悩むのは人生と向き合う事を放棄していないからです。
しかし、占いジプシーに陥っている時は不安でいっぱい、お金もかかります。
出来るなら、そうならずに安心して生きていける事を望まれる方が多いのではないかと思います。
占いジプシーをせずとも、自分で自分の心を上手く扱って安心させてあげる事は可能です。
もっというと、すぐに落ち込んだり、傷ついたり、不安でいてもたってもいられない自分を変える事も可能なのです。

占いは一時的な薬
不安で仕方ない時に占い師の言葉に安心して救われる事自体は何も問題有りません。
あなたがそれで満足出来て幸せならば、そのご縁や時間に価値を感じられたのであれば、全く構わないのです。
しかしもし、「その時は安心するけれど少しするとまた不安が襲ってきて別の占い師に鑑定を依頼してしまう」というのであれば、それは根本的な心の在り方にメスを入れた方が良いです。
そもそも何故、鑑定後少しするとまた不安になるのでしょうか。
それはあなたが「占い師の言った明るい未来を本当は信じていないから」です。
だから自分に「占いで良い結果を貰ったじゃない。信じようよ」と言い聞かせようとしても納得が出来ないのです。
いやいやでも、だとしたら辛い結果を言われたら納得出来るの?辛い結果を言われてジプシーする人も居るのではないの?と思った方は鋭いです。
「良い結果」を求める人と、「辛い結果」を無意識に求める人とが居ますが、この二つは根本的には全く一緒です。
前者の「良い結果」を求める人で、でもジプシーしている人というのは、占い師の言った明るい未来を本当は信じていません。
だからすぐに不安になります。
後者の「辛い結果」を無意識に求める人も、やはり明るい未来を信じていません。
だから自分の信じる辛い未来と同じ結果を言われると「やっぱりそうなんだ」とある意味安心するのです。
しかしご本人は何も辛い未来を望んでいる訳ではないので、辛い結果を聞くのはやはり心が痛むしショックなのです。
だからその気持ちをなんとか晴れやかなものに切り替えたくて他の占い師を訪ねます。
しかししかし、そこで明るい結果を伝えられても心の中では明るい未来を信じられていないので、「本当は違うのではないか」という気持ちが消えません。
そして自分にとって納得出来る辛い結果を伝える占い師を求めてジプシーし、傷つき、それを癒すためにまた別の占い師を訪ねるというループに陥ってしまうのです。
そして後者の「辛い結果」を無意識に求める人というのは大体が無意識なので、自分でも何故こんなにも明るい結果を信じられないのかが解らないのです。
どちらも根本は全く同じで「本当は明るい未来を信じていない」のです。
こういった心の働きは「事実により決まる」ものではなく、自分が何を信じているのかで決まります。
ですから占い師が当たるか当たらないかは正直ほとんど関係が無く、当たる占い師に出会ったらジプシーをやめられるのかというとそういう事でもないのです。
もしジプシーしている状態が苦しいのであれば、変えるべきなのは行動ではなく「望まない未来を信じている自分」なのです。
ジプシーにならない自分になるには
あなたが、やたらと不安にならずに過ごせるようになるためにはどうすれば良いのでしょうか。
その答えはあなたの感情が知っています。
あなたは占いを通じてどのような気分になりたいのでしょうか。
もし「パッと明るい気分になりたい」「前向きになりたい」「安心したい」というのが答えであるとしましょう。
で、あるならば、あなたが本当に求めているのは当たる占いではなく、その感情そのものなのです。
まずは「叶えたいこと」と「信じていること」が全く異なっていると自覚する事です。
「ああだから占いで良い結果を言われても心が晴れやかになるのは一時的なもので、また不安でいっぱいになってしまうのか」と知る事から始めましょう。
どんな気分になりたいのかが解ったら、その気分をなるべく沢山、一日の中で感じられるように過ごしましょう。
特に「幸せな未来を信じていない人」は、「幸せな未来が叶わない証拠探し」をする癖の有る人が多いです。
例えば恋愛であれば「好きな彼が誘ってくれない。好きなら誘うはずなのに。という事は私は好かれていないんだ」という「愛されていない証拠探し」をしてしまいます。
これが癖になっていると、あなたは事実をネガティブに脚色して受け止めるようになり、見える現実は悲しく辛いものとなるのです。
この物の見方の癖を自覚する事です。
あなたが「こんな気分になりたい」という感情が解ったら、その感情を日常の中で出来るだけ沢山感じられるようにしましょう。
特に幸せになれない証拠探しが癖になっているような方は、気が滅入るニュースやSNSと距離を置いてみてください。
負の感情の連鎖を防げます。
他には、好きな物だけを部屋に置いたり、自分をゲストのように大切にしたり、人のご機嫌を取る為に自分を犠牲にする事をやめたりと、一見悩みそのものと無関係に見えるようなもので構いませんので、自分が望む事を叶え続けてみてください。
そして、幸せになれない証拠探しが癖になっているような方は、本当に言いたい事を言うべき相手に言えていなかったり我慢する事が癖になっている方が多いです。
ですから今までの自分の振る舞いとは真逆な事をしてみるというのは視野をグッと広げてくれます。

占いをやめないとダメなの?
そうでは有りません。
占い師は現代社会の中に欠けているものを一部担っているので、そこは上手く活用してください。
オススメなのは、内観のヒントを得る為に占いに行く、というものです。
どういう事かというと、占いって同じ結果を聞いても人によって刺さる言葉が違うんです。
その刺さった言葉こそがあなたに今必要なものを教えてくれます。
また、友人と話す感覚(ガス抜き、元気を貰いたい、話を聞いて欲しい等)自分が明るくなる為にお気に入りの占い師に連絡をするのも有りです。
下手に周囲の人には言えないというお悩みをお持ちの方や、普段から気にかけられるのは重いけど、話を聞いて欲しい時が有るという方なんかは占い師が距離感として丁度良い事もあるでしょう。
また、やはり不安でしょうがないという方。
フランはそういう依頼者は受け付けないのか?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私のスタンスは「ご依頼者様が自分の人生のハンドルを自分で握る事を自分自身に許可出来るまで伴走すること」なので、不安いっぱいでどうしようもない状態でご依頼いただいても、特にネガティブに受け取る事は有りません。
占いに行くのがダメなんじゃないのです。
ジプシーに陥る根本原因さえ解消されれば、あなたが苦しくないのであれば、占い好きでも構わないのです。
占いジプシーをしなくなる時というのは、当たる占い師に出会った時ではなく、あなたが不安を飼いならせえるようになった時です。
悩む事をやめない人は、生来とても強いのです。
それに気付いていただけたらと思います。